2014年10月23日木曜日

あいちトリエンナーレの作品解説に挑戦!:ミハエル・カリキス&ウリエル・オルロー《Sounds from Benearth》

ミハエル・カリキス&ウリエル・オルロー《Sounds from Beneath》
あいちトリエンナーレ2013
2013年8月10日(土) ~ 10月27日(日)
納屋橋会場


 手や顔に刻まれた深い皺と白髪を蓄えた黒服の老人たちの映像。彼らが立っているのは、かつて労働者として過ごした、炭鉱跡地である。今では荒涼とした、無機質な場所から遠い過去を甦えらせるのは彼らの声である。低いがしっかりした男達の声は当時の炭鉱のサイレン、機械音、水の音、爆発、蒸気などを表現し、映像のなかで響きあう。また、アイルランド民謡を思わせるハミング、遠い日を追悼するような祈りに満ちた声。それらは長い年月を自らの肉体によって戦い抜いた栄光の者だけが紡ぎだすことのできる魂の叫びなのかもしれない。
 カリキスは1975年テッサロニキ(ギリシャ)生まれ。建築を学んだ後、音、映像、写真、パフォーマンスなどを使った横断的な表現を展開している。オルローは1973年チューリッヒ(スイス)生まれ。マルチメディアのインスタレ-ションやサウンドの研究を行なっている。今作品の制作は「記憶と歴史のランドスケープ」に興味を持ったオルローがカリキスと共同して実現した。


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